展覧会「AT THE PREMISES OF」は、ENTERPRISEをゲスト講師として迎え、Prof. Dr. Dominique Lämmli、Prof. Dr. Marie-France Rafael、Niclas Riepshoffの指導のもとで実施された、チューリッヒ芸術大学(ZHdK)MFA実践講義における一週間の集中セミナーの成果である。本セミナーは、慣習的ではない空間において芸術がどのように提示され、どのように知覚されうるのかを探究するものであった。
「AT THE PREMISES OF」は、東京とチューリッヒを拠点とするアーティスト・デュオENTERPRISEと、MFA学生によるオルタナティブな展示方法の検証との対話を中心に構成されている。チューリッヒのプロジェクトスペースが、この実験的な探究の場となっている。空間の物質性、時間性、社会的文脈に関わることを通して、学生らは芸術の展示形式を構想し、プレゼンテーションとプロセスに関する問いを考察の中心に据える。作品は、この展示空間としては例外的な場所(現在チューリッヒ市において一時的活用〔Zwischennutzung〕されている元警察署ビル)と関係を結ぶと同時に、鑑賞者に芸術との関係を問い返す対抗的な契機を生み出している。すなわち、芸術がどのように見られ、理解され、関わられるのかという問いである。
展覧会「AT THE PREMISES OF」は、芸術の理解に関わる可視性と文脈という主題を強調している。本展はENTERPRISEとの協働を通して、展示プロトコルの様態を操作することにより、芸術における既存の展示慣習そのものを問い直すものである。
テキスト: Prof. Dr. Marie-France Rafael